初めての豊洲市場

東京の中央卸売市場が築地から豊洲へ移転して、もうすぐ6年。ずっと行きたいと思いながら機会がなかったのですが、先日ようやく訪れることができました。懐石料理で使う食材は普段のスーパーでは出会えないものも多く、朝から胸が高鳴っていました。


豊洲市場駅に降り立つと、まず驚いたのはその広さ。建物や通路のスケールが大きく、まさに「築地の歴史と伝統を継承し、発展させる場所」として圧巻でした。

提供元: 東京都ホームページ

この日はガイドさんと共に、主に次のエリアを巡りました。気がつけば一日で1万歩も歩いていました。

  • 魚卸売場
  • 水産仲卸売場棟 4階(魚がし横丁)
  • 青果棟(果物・野菜エリア)

地図へのリンク


ガイドさんからは、市場を訪れる際のマナーについて最初に教わりました。

  1. 朝はプロの仕事が優先されるため、観光目的の人は8〜10時頃がベスト
  2. 4人以下の小人数で訪れること(通路が狭く、会話も控えめに)
  3. 値切らない(取引はプロ向けの大口が前提)
  4. 許可なく商品に触れない、写真を撮らない

豊洲市場は、日本料理の根幹を支える「プロの台所」。丁寧に扱われた食材が、日本全国の飲食店へと旅立っていく場所でもあります。

訪れる側もそのことを念頭におき、敬意を持つことが大切だと感じました。


① 魚卸売場

いちばん楽しみにしていたのが、魚卸売場でした。残念ながら売り場近くでは撮影できませんが、上から見下ろすだけでも雰囲気が伝わってきます。売り場に降りるエスカレーター前には警備員の方がおり、「ここから先は入れないのだろうな」と、引き返す方が多く見られました。
※案内の方から入場のコツを教えていただきましたが、公開すべき情報ではないため詳細は控えます。

中には約480店舗が並び、小さな三輪の運搬車「ターレ」が近い距離をすれ違いながら走っていきます。私が訪れた日は市場の定休日前日だったため、閉店も早かったのですが、それでも新鮮な魚介をいくつか購入することができました。

市場で買い物をする感覚は特別で、また必ず訪れたいと思いました。


② 魚がし横丁

次に向かったのは、同じ建物の上階にある「魚がし横丁」。一般見学者向けに開放されており、乾物や調理道具がずらりと並びます。

欲しいものがいくつもありましたが、今回は見るだけに。次回の楽しみに取っておくことにしました。

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③ 青果棟

駅を挟んで反対側にある青果棟へ。ガイドさんおすすめのお店では、珍しい野菜はもちろん、懐石料理の飾りに使う「つまもの」まで扱っていて、思いがけない発見でした。

いつか常連になれたら、と静かに憧れが湧きました。


他にもいくつかのエリアを回りましたが、増えていく食材と、保冷剤代わりの氷を抱えながらの移動はなかなかの負荷で、次第に体力が削られていきました。市場で買い物をする日は、気合だけでなく「動線と荷物の管理」が大切だと痛感しました。

今回のツアーに参加できたことに、心から感謝しています。
日本料理は、食材そのものの力を最大限に引き出してこそ成立するもの。だからこそ、食材を見る目を養うことは、懐石料理を学ぶうえで欠かせないことだと改めて感じました。

これからも豊洲市場に足を運び、少しずつ自分の感覚を磨いていきたいと思います。