6月のよく晴れた日曜日、友人たちと一緒に狭山へ行き、初めて茶摘みを体験しました。狭山は日本三大茶のひとつとして知られており、東京都内からもアクセスしやすい場所にあります。この日は特別にプログラムを組んでいただき、茶摘みと抹茶体験の両方を楽しめる内容でした。
一面に広がる茶畑に囲まれ、まるで森林浴のような心地よさの中で、素晴らしい時間を過ごすことができました。
その中でも、印象に残った三つのことを紹介します。

① 丁寧な手しごと
抹茶の原料となるお茶は「碾茶」と呼ばれます。この碾茶は、茶畑のまだ若く、紫外線をあまり浴びていない茶の木から、一芯二葉を探しながら丁寧に摘み取ることで得られるのだそうです。柔らかい芽先を選びながら摘み進めていく体験を通して、茶農家の方々が日々どれほどの時間をかけて茶葉と向き合っているのか、あらためて実感しました。
② 狭山のテロワール
摘み取ったばかりのフレッシュな葉を使い、ハーブティーのように淹れていただきました。ワインのように土地と気候によって味わいが異なるため、摘みたてならではの清らかな風味を楽しめる貴重な体験でした。
それだけでなく、摘みたての茶葉で作った天ぷらもいただくことができ、文字通り“茶葉を丸ごと味わう”贅沢なひとときとなりました。

③ 抹茶づくりのリズム
午後は、石臼で茶葉を挽く体験をさせていただきました。回す速度によって熱の入り方が変わるため、一定のリズムを保つことが大切なのだそうです。集中して臼を回していると、まるで瞑想しているような静けさに包まれました。
いつかの口切りの茶事に向けて、我が家にも茶臼をお迎えできるよう、日頃のお稽古をより一層精進していきたいと思います。

何をおいても、お抹茶がなければ茶道は成り立ちません。お稽古だけでは見えてこなかった「茶畑から加工、味わいへ」という一連の流れに一日を通して触れ、あらためてお茶の世界の広さと深さを感じた体験でした。
訪れた場所: 宮野園(狭山)
補足: 今回は特別に二つのコースを一日で体験できるプランでした。通常はどちらか一つを選ぶ形式のため、詳細はお問い合わせください。
